住宅性能と構造

PASSIVE DESIGNパッシブデザイン

設備に頼らず、新潟の気候と暮らす設計。

# 日射取得# 日射遮蔽# 通風# 断熱# 湿気対策
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01 — What is Passive Design

機械に頼らず、
自然のちからで整える設計。

パッシブデザインとは、太陽の光・風・熱・植栽など、土地に流れる自然のエネルギーを建築の形そのもので受け止め、住まいの快適さに変えていく設計手法です。

冷暖房や照明に頼る前に、まず窓の位置・庇の深さ・吹き抜けの方向・断熱の連続性。建物が持つべき性能を、設計の段階で決めきってしまう。アドハウスがすべての家で大切にしている、いちばん基本の考え方です。

新潟のパッシブデザイン設計図|夏冬の太陽軌道と方位
FIG.01 ─ 夏至・冬至における太陽軌道と方位
02 ─ NIIGATA CLIMATEA Difficult Sky.

新潟の気候は、日本でもっとも難しい。

雪国でありながら、夏は蒸し暑い。冬は灰色の空が続き、日射は東京の半分以下。
この地域で「省エネで、明るく、結露しない家」を実現するには、全国共通の教科書では足りません。

A
冬の日照Winter Sun

11〜2月の日照時間は全国平均の60%程度。曇天が続くため、限られた晴れ間の日射をいかに室内深くまで届けるかが鍵。

87h/月新潟市・1月の月平均日照時間
(東京 188h/那覇 109h)
B
雪と荷重Snow

近年は年ごとの変動が大きく、200cmを超える冬もあれば100cmを下回る冬も。屋根形状・庇の深さ・落雪計画はパッシブ設計と表裏一体で決まります。

139cm新潟市・年間降雪量の平年値
(1991-2020年平均/気象庁)
C
湿気Humidity

年平均湿度74%。梅雨と冬の結露、夏のじめつき、いずれも壁体内通気と断熱の連続性で抑え込みます。

74%新潟市・年平均相対湿度
全国でも上位
D
夏の暑さSummer Heat

フェーン現象により真夏日が連続。日射遮蔽と通風の両立を、開口部の高さと向きで設計します。

35.6過去最高気温(8月平均最高30.4℃)
湿度80%超のことも
だから、新潟の家には「全国共通の高気密・高断熱」だけでは足りない
日射と風を、この土地の暦に合わせて設計しなおす必要があります。
03 — Design Elements
FIVE PRINCIPLES
Five Threads
for Niigata.

パッシブデザインは「日当たりの良い家」のことではありません。
新潟という土地で家を建てるとき、アドハウスは次の5つの要素を必ずひとつの式として解きます。ひとつだけを最適化しても、他が崩れる。だから常に同時に。

新潟の気候に対応したパッシブデザインの断面計画図
FIG.02 ─ 日射取得・遮蔽・通風の断面計画
01
SOLAR GAIN

冬の低い太陽を、室内の床・壁・蓄熱体まで届ける。南面の窓寸法と庇の深さは、敷地ごとに角度から決定します。

02
SHADING

夏の高い日差しは庇・ルーバー・落葉樹で遮る。同じ窓でも、季節で振る舞いが変わる設計に。

03
VENTILATION

新潟の卓越風(夏は南東/冬は北西)を読み、抜ける窓の高低差で重力換気を設計。エアコンの稼働時間そのものを減らします。

04
INSULATION

UA値・C値の数値はもちろん、屋根・壁・床・基礎まで断熱の連続性を確認。冷気の橋(ヒートブリッジ)を残しません。

05
MOISTURE

壁体内通気層・気密ライン・換気経路を一体で計画。新潟の長い梅雨と冬の結露を、構造で抑え込みます。

SUMMER 夏高い太陽を庇で遮り、北西の通風で排熱。
WINTER 冬低い太陽を奥まで取り込み、北西風を建物形状で受け流す。
SHOULDER 中間期窓を開けて自然換気のみで過ごす期間を最大化。
YEAR-ROUND 通年気密・断熱・防湿を連続させ、設備に頼らない基礎体力を確保。
04 ─ DESIGN PHILOSOPHYNiigata,
by Architecture.

この土地に建てる、ということ。

i. 敷地から始める

カタログではなく、
敷地と空を読む。

方位・隣家・前面道路・落葉樹の位置。敷地調査の段階で日射角と風配図を重ね、間取りの前にまず「窓の位置」を決めます。

ii. デザインと性能を分けない

美しい外形には、
気候上の理由がある。

庇の出寸法は意匠ではなく日射計算の結果。吹き抜けは抜け感ではなく重力換気の経路。すべての形に理屈を持たせます。

iii. 設備に頼らない順番

建物の素性を、
設備より先に決める。

まず躯体(断熱・気密・日射)でできるだけ快適に整え、そのうえで最小の設備で仕上げる。家の基礎体力を、設計で先に確保します。

高性能であること自体が目的ではなく、
新潟の四季を、心地よく暮らすための手段である。
パッシブデザイン住宅を設計する建築家・長谷部勉氏|アドハウス
Tsutomu Hasebe
R+house ネットワーク建築家 / Meisters Club 理事
H.A.S.Market 主宰 / 東洋大学 非常勤講師
  • 1968山梨県生まれ
  • 1991東洋大学工学部建築学科 卒業 / 堀池秀人都市・建築研究所 入所
  • 2000株式会社服部建築計画研究所 入所
  • 2002I.B.S.ARCHITECTS 参画 / H.A.S.Market 設立
  • 2014建築家住宅の会 理事
  • 2018Meisters Club 理事
R+house 2025 デザインコンテストモデルハウス部門 ─ 大賞建築家賞 ─ 最優秀賞東大畑モデルハウス(新潟市中央区)
05 — Architect Interview
"Read the
land first."

パッシブデザインと上質な意匠を叶える、
建築家の設計技術。

東大畑モデルハウスでは、何を一番大切に設計しましたか?
都市部の限られた土地を最大限に活かし、快適で省エネな住環境を目指して、パッシブデザインを採用しました。3階建で広い居住空間を確保しつつ、防犯面でも視線を遮る工夫を施しながら、大きな窓で開放感をもたらしています。
採光と通風はどう両立させたのですか?
採光は南側に設けた中庭から自然光を低層階まで取り入れ、通風は中庭の吹き抜けを利用して上下階に心地よい風の通り道を確保しました。これにより自然の力を活かしてエネルギー消費を抑えつつ、四季を通じて快適に過ごせる住まいを実現しています。
夏と冬で家の振る舞いはどう変わりますか?
夏は直射光を庇と植栽が自然にカットし、庭から抜ける風を利用して室内の熱を外に排出します。太陽が低くなる冬は、葉が落ちて自然光が全フロアに取り込まれ、室内に熱を蓄える。家そのものが季節に呼応する装置として働くよう、設計の段階で組み立てています。
温熱性能と意匠は両立できますか?
UA値0.34(HEAT20 G2相当)、耐震等級3にMERダンパーを併用。性能の数値を満たしながら、街並みに溶け込むシンプルな佇まいと、内と外を立体的につなぐ開放感を両立させています。性能のための犠牲は、設計の工夫で必ず減らせます。
MODEL HOUSE ─ 東大畑この建築家が設計した
都市型パッシブハウスを見学する
新潟市中央区東大畑通1番町 / 予約制
VIEW MODEL HOUSE
06 ─ CASE STUDIESBuilt in Niigata.

実例で見る、
新潟のパッシブデザイン。

新潟市江南区のパッシブデザイン住宅 施工事例|開放的な2階リビングCASE 02 / 新潟市江南区PHOTO ─ 新潟市江南区 / 開放的な2階リビング
住宅地でも光を取り込む、
明るく開放的な2階リビング
【R+house】新潟市江南区 / 延床 約32坪
パッシブデザイン住宅を設計した建築家・齊藤真二氏|アドハウス新潟
設計 ─ ARCHITECT齊藤 真二 Saito ShinjiAtelier if 一級建築士事務所(神奈川県)

外出好きのご夫婦が、「家で過ごすのもいいな」と思えるような空間を求め、建築家が設計した住まい。 開放感を追求した吹き抜けと大開口の窓、間仕切りを極力減らした一体感のあるLDKが魅力です。

  • 自然光を照明に、日射熱を暖房に変える採光計画
  • 建てた後もずっとお得な、GX志向型住宅
  • 家族の繋がりを生む、仕切りのない家事ラク設計
  • 1FLDK 21.6帖
  • 2F洋室 × 3
  • 敷地約42坪
  • 延床約32坪
GX志向型住宅全館空調吹き抜け大開口UA値 0.31C値 0.27
建築家設計の
ハイスペックデザインハウス
【R+house】燕市 / 延床 約35坪
建築家 松島 潤平
設計 ─ ARCHITECT松島 潤平 Matsushima Jumpei松島潤平建築設計事務所(北海道・東京都)

HEAT20 G2仕様の高断熱住宅。耐震等級3+制震ダンパーで地震も安心。 第一種熱交換型換気と全館空調でアレルギー対策にも対応します。 リビング・ホール・水回りを回遊できる合理的な動線。 LDKは3,640mmの間口で庭まで一直線に目線が抜ける、広々と開放的な空間です。

  • 家族が集い、テーブル・ソファ・スタディカウンター・畳で自由に過ごせるLDK
  • 第一種熱交換型換気+全館空調でアレルギー対策に対応
  • 耐震等級3+制震ダンパーで災害に強い構造
  • 1FLDK 21帖 / 畳コーナー 3帖
  • 2F洋室 × 3
  • 敷地約60坪
  • 延床約35坪
HEAT20 G2耐震等級3+制震ダンパー全館空調UA値 0.29C値 0.18
07 — Common Misunderstandings
It's not
about windows.

「パッシブデザイン=南向きで大きな窓」と思われがちですが、新潟ではむしろ逆効果になることもあります。 検索でよく見かける誤解と、アドハウスが現場で出している答えをまとめました。

01

MYTH ─ よくある誤解

パッシブデザイン=南向きの大きな窓があればOK

FACT ─ アドハウスの設計現場では

窓の大きさより、庇の深さと方位の方が重要です。新潟は曇天が多いため、南窓を大きくしても日射取得量はそれほど稼げず、夜間の熱損失だけが増えることもあります。窓は高性能サッシ+適切な大きさ+庇とセットで決定します。

02

MYTH ─ よくある誤解

高気密・高断熱の家なら、自然と省エネになる

FACT ─ アドハウスの設計現場では

断熱性能は「逃さない」性能であって、「快適にする」性能ではありません。冬の日射を取り込めない、夏の熱を排出できない家は、いくら断熱しても結局エアコンを使い続けることになります。パッシブ設計と断熱は両輪です。

03

MYTH ─ よくある誤解

新潟は雪と曇天だから、パッシブデザインの効果は薄い

FACT ─ アドハウスの設計現場では

逆です。気候条件が厳しい土地ほど、設計で稼げる差は大きくなる。光の少ない冬こそ、限られた日射を最大限活用する設計の価値が高い。「新潟だからこそ」やる意味があります。

04

MYTH ─ よくある誤解

吹き抜けは冬寒い、夏は冷房が効かない

FACT ─ アドハウスの設計現場では

吹き抜けは気密・断熱・換気計画とセットで設計すれば、むしろ熱が建物内を循環する装置になります。冬は1階の暖気を2階まで運び、夏は熱気を上部窓から排出。問題なのは吹き抜けではなく、性能不足です。

05

MYTH ─ よくある誤解

パッシブデザインはコストがかかる

FACT ─ アドハウスの設計現場では

窓の枚数や太陽光発電のような後付けの設備でカバーする家のほうが、トータルでは高くつくことがほとんどです。設計の段階で性能を作り込むパッシブ設計は、ランニングコスト含めて長期で見ると最も合理的な選択肢です。

08 — FAQ
Questions
& Answers.

パッシブデザインについて、よくいただくご質問。
「自分の敷地ではどうなる?」は、ぜひ無料相談会で個別にお答えします。

Q.01パッシブデザインの家は、本当にエアコンなしで過ごせますか?+
新潟の真夏・真冬は、エアコンは必要です。ただし設計が正しく行われていれば、稼働時間・設定温度ともに大きく抑えられます。実例では、中間期(4〜5月/10〜11月)のほぼすべてをエアコン稼働ゼロで過ごすご家庭が多数です。
Q.02南面に大きな窓が取れない敷地でも、パッシブ設計はできますか?+
できます。むしろ条件の厳しい敷地ほど、設計の工夫で差が出ます。南が取れない敷地では、東側からの朝の日射、ハイサイドライト(高所窓)、中庭、トップライトの組み合わせで日射取得を補います。アドハウスではすべての敷地で個別に日射シミュレーションを行います。
Q.03庇を深くすると、家が暗くなりませんか?+
適切な庇の深さは「夏の太陽はカットし、冬の太陽は通す」絶妙な角度に設計されます。新潟の緯度では概ね900mm前後。冬至の南中時には庇の影は窓に達せず、室内は最も明るくなります。暗くなるのは「庇=深ければ良い」と勘違いした場合です。
Q.04建築費はどのくらいですか?+
パッシブ設計だから割高、ということはありません。アドハウスでは標準仕様に組み込まれているため、追加費用は発生しません。建物本体の坪単価は仕様によりますが、目安はモデルハウスやプランページにてご確認ください。
Q.05アドハウスのパッシブ設計の特徴は?+
「全棟、敷地調査からのオーダーメイド設計」「建築家との対話で決める」「設計時に日射シミュレーションを必ず実施」の3点が大きな特徴です。標準化されたパッケージではなく、敷地ごとにゼロから設計します。
Q.06中古住宅やリフォームでもパッシブ設計はできますか?+
可能な範囲で行います。外皮の断熱改修、窓の位置と大きさの再設計、庇の追加、植栽計画など。ただし新築に比べると制約は大きく、できることとできないことを最初の現地調査で正直にお伝えしています。
09 — In Closing
Live with
the climate.

新潟の四季を、住まいの味方にする。

パッシブデザインは特別な技術ではなく、本来この土地で家を建てるときに必ず考えるべき、基本の姿勢です。 敷地を読む、季節を読む、暮らしを読む。アドハウスは、その当たり前を当たり前にやりきる工務店でありたいと考えています。

図面を引く前の、敷地調査からご一緒します。
まずはあなたの敷地で何ができるか、お話しさせてください。